kiwi fruit or kiwi or Kiwi?
ニュージーランドに来ると、必ずと言ってよいほど『キウィ』についての話を聞きます。
それはニュージーランド人にとってキウィは特別な意味を持つからです。
キウィと言えば、日本人にとっては”キウィフルーツ”の事。
しかしニュージーランドでは意味が異なります。
さて、このキウィ。
みなさん、どこまでご存知ですか?
ニュージーランドの3つのキウィ
日本人にとってキウィには大きくわけて3つの意味があります。
何故、日本人にとってなのか?
それは、ニュージーランドの人にとってキウィフルーツはあくまでもキウィフルーツであり、キウィではないからです。
多くの海外の人が困惑する3つのキウィ。
その違いについて確認をしてみましょう。
キウィフルーツ(kiwi fruits)
まず、日本人が”キウィ”と聞いて、真っ先に思い出すのはキウィフルーツ。
ですが、先ほどのご説明したように、ニュージーランドの人にとって、これはキウィではありません。
キウィフルーツは、ニュージーランドの人が好んで食べる果物の一つ。
人によってはキウィフルーツを服にこすりつけて毛を落とし、ワイルドに丸かじりします。
食べ方としては半分に切り、スプーンですくって食べる方法が一般的。
ですが皮ごと食べた方が体には良いのです。
え?!と思う方もいるかもしれませんが、ゼスプリ公式サイト(ヨーロッパ)では、キウィフルーツは皮ごと食べる事を推奨しています。
Q:皮は食べる事が出来ますか?
A:はい!キウイフルーツは皮ごとまるっと食べることができます。
更に、皮は食物繊維が非常に豊富。もし、キウイフルーツの毛が気になる場合は、かじる前に毛をこすって落としてください。
そして、りんごや梨など皮を剥かずに食べる果物と同じようにキウィフルーツをよく洗いましょう。
そして意外なことに、キウィフルーツの原産国はニュージーランドではありません。
実は中国が原産。
そのためニュージーランドでも1959年まで、キウィフルーツはチャーニーズグーズベリーと呼ばれていました。
ニュージーランドは風土的にもキウィフルーツが育つのに適した国だったこともあり、商業栽培を開始。
やがて品種改良がすすみ、海外への輸出が盛んになってきました1959年。ニュージーランドからアメリカ合衆国へ輸出されるようになった際に、ニュージーランドのシンボルである鳥「キウィ (kiwi)」に因んで「キウィフルーツ」と命名されたのです。
今ではキウィフルーツの名前が世界的にも定着し、ニュージーランドはキウィフルーツの輸出大国。
それでも、キウィフルーツの輸出量は、イタリア、中国に続き、世界第3位だったりします。
キウィ(kiwi)
こちらはニュージーランドの固有の飛べない鳥『キウィ』を意味します。
毛色は茶色く、大きさは鶏ぐらい。動きは素早く、ちょこまかと動き回ります。
ただ、夜行性で1日のうち16~20時間ぐらいを寝て過ごすため、保護施設などでもあまりお目にかかることができません。
そして、オスが卵を温めることでも有名です。
キウィはニュージーランドの国鳥であり、ニュージーランド空軍のマークでもあります。
何故に飛べない鳥キウィ?などと思うかもしれませんが、ニュージーランド空軍は戦闘機を所有していません。
戦うために飛ぶ必要はないのです。
とはいえ、他に飛べない動物を空軍のマークにしている国もあります。
ニュージーランドの近くですとオーストラリアがカンガルーを空軍のマークとしています。
キウィ(Kiwi)
こちらのキウィはニュージーランド人を意味します。
発音は鳥のキウィと同じ音なのですが、書くときには最初の文字を大文字にします。
kiwi× ⇒ Kiwi◎
鳥でありながら飛ぶことのできない、どこか不器用で愛嬌のある鳥キウィ。
このニックネームに差別的な意味はなく、ニュージーランドの人は親しみを込めて自分たちをキウィを呼ぶのです。
特にニュージーランド人の男性は、鳥のキウィと同様に子育てや家事に積極的です。
そのため、家事などを良く手伝う夫を”キウィハズバンド(Kiwi husband)”といいます。
さらに、このKiwiに”ana”を足した『キウィアナ(Kiwiana)』
これはニュージーランドの象徴的なアイコンとなるものを意味します。
それは人であったり、道具であったり、食べ物や飲み物であったり。
”あ、これはニュージーランドだな”というものがキウィアナなのです。
キウィアナの一つ、ニュージーランドを代表するデザートのパブロバ
キウィアナとしては、オールブラックスやキウィフルーツ、マオリのハカなどが世界的に有名です。
他にもまだまだいっぱいあるキウィアナ。
これは、また別の機会に。
さぁ、3つのキウィの違いについて、ご理解いただけましたでしょうか?
ニュージーランドで当たり前のように使われる名詞”キウィ”
もしニュージーランドの人に「キウィは美味しいから大好きです。」なんて言ってしまったら、大変な誤解を招くかもしれません(笑)