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Matariki ~マオリのお正月~

Matariki

ニュージーランドのお正月は日本と同じく1月1日です。
しかしマオリ族の人は独自のお正月を祝います。

それがマオリの新年を祝う『Matariki(マタリキ)』です。

その昔、マオリは”Maramataka(マラマタカ)”と呼ばれるマオリ暦(太陰暦)にそって生活をしていましたので、マタリキの日は明確に決まってはいません。

マオリの部族によってマタリキとされる日は異なりますが、どの部族にもだいたい共通するのは、”北東の水平線上の空に「昴(スバル):プレアデス星団」が輝いた時

一般的には、その直後の初めて姿を現す新月が新年を祝う合図なようです。
そのため、マタリキはだいたい6月~7月の中旬にかけてのどこかとなります。

ニュージーランドでは収穫を全て終え、冬に突入する時期。
昔のマオリの人達は、次の収穫期までの1年間分の食料の準備や貯蓄をするために一年間忙しく働き、この時期に家族との時間をゆっくりと過ごすのです。

また、昴は一年の始まりを告げるだけでなく、昴の輝きや見え方で一年の農作物の吉凶が判断されていました。
※星が輝いて見えるほど作物はよく育つようです

二つの意味を持つMatariki(マタリキ)


マタリキにはマオリ語で”Mata Riki(マタ・リキ)=小さな目”、そして”Mataariki(マタ・アリキ)=神の目”を意味します。

マオリ神話によれば、空の父ランギヌイ、と大地の母パパトゥヌクは、2人が生み出した子供の神々によって引き裂かれてしまい、そのことに怒った風の神タウヒリマテアが目を引き裂き、それらを天に投げ入れた。
そのため空にある星団、昴のことをマタリキ(小さな目、神の目)、と呼ぶようになったと伝えられています。

他にもマタリキは母であり、それの周りを囲むそれぞれの知恵を持つ6人の娘達。もしくは、7人の姉妹たちとも言われていますが、どちらの意味しても天から自分たちと自分たちが暮らす大地を見守っているという解釈がされています。

新年のお祝いマタリキ

マタリキのお祝いは3日間。
三が日を祝うというあたりは日本と共通するものが。

マオリのお正月も家族や親戚、知人をおみやげ持参で訪ね、迎える側は宴を開いて歓迎するというのが一般的な新年の祝い方です。
皆が一堂に集まり、歌や踊り、ご馳走を食べたりなど、それぞれのマオリの部族の習慣が反映されます。

ハンギと呼ばれる地中で蒸し焼きにした肉や野菜。レウェナと呼ばれるジャガイモの粉を使用したマオリパンなど、伝統的なマオリ料理などの馳走を食べて新年を祝い、その年の豊作を祈願するのです。

マタリキは伝統的に、マタリキは先祖や去年に亡くなった人たちを思い出す時間でもあります。
こういった部分は日本でいうお盆。
まさにお盆と正月が一緒に来るという言葉がぴったりかもしれません。

また、マオリは文字を持たなかったため口頭で伝統を語りつぐ機会でもありました。
親から子へ、子から孫へと各部族に伝わる物語を継承するのです。

他にもマタリキになると、子供達がよくする遊びがあります。

まずは凧あげ。
これは、凧は天と地の間のつながりであると考えられているので、凧をあげることによってより近づけると考えられているため。

あとは草木編みでしょうか。
女性達はフラックス(アマの葉)を縦に裂き、子供達と一緒に簡単な星や花を編んだり。
子供達はそういった基本的編み方を覚え、やがてはブレスレットや籠などの様々な物を編み上げることが出来るようになります。

マオリにとってマタリキは新年を祝うというだけでなく、文化継承の機会でもあるのです。

全国で開催されるマタリキイベント

2019年のマタリキは”6月25日
ニュージーランドではマタリキフェスティバル/イベントが約1か月ほどの間、全国のあちこちで開催されます。

コンサートやマオリ文化公演
アート&クラフトワークショップ
天文学ワークショップ
ハンギと饗宴
保全地域における植樹
マオリ伝統料理実演
ライトフェスティバル

などなど、大きなイベントが多いので、この機会に是非マオリ文化に触れてみて下さい。

マオリ語の言葉の発音も日本語と似ていたりと共通することが多いマオリ文化。
なんとなく親しみが持てませんか?

ABOUT ME
便利帳管理人
2003年にニュージーランド(NZ)に移住。 持ち前の探求心、好奇心からNZでの楽しさを追及し続ける日々。 気が付けば早15年以上NZに滞在となるが未だ旅行者気分です。 オークランドを中心に仕事を兼ねてあちこちに出没。 InstagramではNZの写真を日々Upしてますので、お暇な方はどうぞ。