耳より情報

ピンクシャツデー 2019

Kōrero Mai, Kōrero Atu, Mauri Tū, Mauri Ora

2019年5月17日(金)は『ピンクシャツデー

ニュージーランド全国の学校や職場で、みんながピンクのシャツやピンクのものを身につける日。
そのためニュージーランド中がピンクに染まります。

ピンクシャツデーとは

Speak Up, Stand Together, Stop Bullying!”
(話そう、一緒に立ちあがろう、いじめをやめよう!)

この3つをスローガンに子供から大人までと、誰もが参加することのできる ”いじめ反対運動” こと。
ニュージーランドも2018年から全国的に展開され、今年も全国の学校や職場が参加を表明しています。

ピンクシャツデーはカナダ発祥

カナダから世界中に広まった、”いじめ反対運動『ピンクシャツデー』
現在では、カナダだけでなく数十ヵ国もの国や地域に広まり、世界的キャンペーンとなっています。

このいじめ反対運動の始まりは、2007年に実際に起きた出来事から始まります。
舞台となったのはカナダのノバスコシア州のハイスクール。
9年生(中学3年生)の男子生徒が学校初日にピンク色のポロシャツを着て登校したところ、ホモセクシャルだとからかわれ暴行を受けました。

その出来事を聞いた上級生のデイヴィッド(David Shepherd)とトラヴィス(Travis Price)。
12年生(高校3年生)の彼らにとっては、その学校で過ごす最後の年でした。

「いじめなんて、もう、うんざりだ!」「アクションを起こそう!」

その日の放課後、2人はディスカウントストアへ行きピンク色のシャツやタンクトップを買いこみます。
そしてその夜、学校のBBS掲示板やメール等を通じてクラスメートたちに呼びかけました。

「明日、一緒に学校でピンクシャツを着よう」

翌朝、2人はピンク色のシャツやタンクトップを入れたビニール袋を手に登校しました。
けれども、そこにはピンクシャツを着た生徒たちが次々と登校してくる姿。

ピンクシャツが用意できなかった生徒たちは、リストバンドやリボンなど、ピンク色の小物を身につけて登校してきました。
頭から爪先まで、全身にピンク色をまとった生徒もいました。

以来、その学校でいじめを聞くことはなくなり、やがてピンクのシャツはいじめ防止のシンボルとなったのです。

DavidとTravisの行動は地元メディアで取り上げられ、瞬く間にカナダ全土へと広がり、アメリカのトークショーやスペインの新聞でも紹介されました。
この行動がきっかけとなり、現在、カナダでは毎年2月最終水曜をピンクシャツデ―とし、この日、学校・企業・個人を含めた賛同者がピンクシャツを着て「いじめ反対」のメッセージを送っています。

ピンクシャツデーの目的


ピンクシャツデーは、ひとりひとりが互いの違いを受け入れ、尊重し、思いやりを持って接するという社会づくりを目指したキャンペーンです。

支える人へ

いじめに悩んでいる(悩んでいた)人の中には、ピンクシャツデー賛同者の姿や活動を見て「味方がいる」「仲間がいる」「一人じゃない」と励まされる人たちがいます。世界中にいる賛同者の存在は、今どこかで悩んでいる誰かの支えになれます。

「いじめ反対」の意思表示

いじめは傍観者が変われば現状より減らすことができます。
ピンクシャツデー運動は、ピンクシャツを着たりピンク色のものを身につけることで傍観者から「いじめ反対」の意思表示をする人へ。
言葉や暴力ではなく、みんなで表現することで平和的にいじめをなくすことが出来ます。

いじめ対策

ピンクシャツデー運動を通じて、みんなで「いじめは悪いこと」「いじめをすることは、かっこわるいこと」というメッセージを伝え、いじめが発生してしまう前に、「どんないじめも許されていない」という環境作り。そういった雰囲気づくりをすることが、いじめ防止につながります。

いじめ問題への意識向上

いじめ問題を個人や当事者間だけの問題ではなく社会全体の問題として捉え、いじめ問題への関心や意識を高めます。いじめの定義・傍観者になること・無関心ということも含め、 あらゆるいじめ問題について考える契機づくりにもなります。

ピンクシャツデーの創立者

ピンクシャツデーの創立者は、2007年にいじめに対して言葉や暴力ではなく行動で意思表示をしようと立ち上がった生徒の一人”Travis Price(トラヴィス・プライス)”です。
その後も少しでもいじめをなくしたいとの思いから、講演をはじめ様々な活動を続けていました。
その活動の功績が認められ、「エリザベスダイヤモンドジュビリー賞」受賞のほか「メリトリアスサービスメダル(M.S.M)」を受章しています。

またはTravis氏は、キャンペーンについてこのように述べています。

「この運動の根本にあるのは思いやりと尊重です。それは私たちがどこに住んでいても変わらないものだと思います。あなたも誰かのヒーローになっていじめをなくす力になって下さい。」

ピンクシャツデーに参加する方法

ピンクシャツデーに参加するには、ピンクTシャツを着たり、ピンク色のものを身につけるだけ。
特別な参加資格などはありません。

ピンクのシャツは、Pink Shirt Dayのサイト、もしくはCotton onで購入可能です。
詳しくは公式サイトをご確認下さい。

ABOUT ME
便利帳管理人
2003年にニュージーランド(NZ)に移住。 持ち前の探求心、好奇心からNZでの楽しさを追及し続ける日々。 気が付けば早15年以上NZに滞在となるが未だ旅行者気分です。 オークランドを中心に仕事を兼ねてあちこちに出没。 InstagramではNZの写真を日々Upしてますので、お暇な方はどうぞ。