Te Wiki o te Reo Māori
現在のニュージーランドの公用語は『英語、マオリ語、ニュージーランド手話』の3つ。
そもそも先住民族がマオリなのだから、公用語にマオリ語があるのは当たり前のように思われますが、意外なことにマオリ語が公用語となったのは1987年と割と近年のこと。
公用語となってからの歴史はまだ32年ほどなのです。
1945年以降、マオリ語を話す人は急速に減少し、マオリ語は廃れかけました。
そのままではいけないと立ち上がったのは、マオリの政治家及びその有志達。
マオリ語を再活性化するべく取り組みが始まり、マオリ語の減少を遅らせました。
その活動の1つが、1975年から毎年行われるようになったマオリ語週間です。
1987年には、マオリ語法が制定され、公用語としての地位を得ることになります。
それ以降、『マオリ語委員会(Te Taura Whiri i te Reo Maori)』は色々な取り組みを行っています。
Maori Language Week:マオリ語週間
ニュージーランドでは毎年1週間の「マオリ語週間」を設定してマオリ語の促進に努めています。
今までは毎年7月上旬から9月上旬の期間のうちの月曜日からの連続7日間です。
特に何週目からの開始とは決まっておらず、前年に該当期間及びテーマがマオリ語委員会より発表されるのが通例です。
2019年のマオリ語週間は9月9日~9月15日。
このマオリ語週間は未成年者、特にマオリ文化への知識と感謝の気持ちを広げる機会として設けられました。
幼稚園や小中学校ではマオリ語のゲームやマオリ語の読み書きを習ったり、マオリ族のマラエ訪問をすることも。
毎日の生活の中でマオリ語を学んだり使ったりすることが奨励され、学校だけでなく、職場やメディアなどでも実践するため、多くのマオリ語を耳にすることができます。
また全国でも様々なイベントが開催されているため、旅行者の方でも多くのマオリ体験ができるもしれません。
日常生活に溶け込むマオリ文化
マオリの人々はニュージーランドの先住民です。今から1000年以上前、祖先がいたハワイキからワカ・ホウルア(航海カヌー)に乗ってやってきました。
現在、マオリの人口はニュージーランドの総人口の14%以上を占めており、マオリ語とマオリ文化はこの国の暮らしのあらゆる面に強い影響を与えています。
国の教育カリキュラムにも言語学習の一つとしてマオリ語があります。
教育の内容については学校次第ですが、それでも多くの小中学校では簡単なマオリ語の単語や挨拶、マオリ独特の自己紹介をできるように指導。
また、マオリの文化として歌やポイダンス、カパハカなどを学びます。
マオリの学校や幼稚園も設立されており、現在ではこういった教育機関が全国各地の約500ヶ所に点在しています。
公共機関、教育機関などは、英語名に加えマオリ語名も併記され、国歌にはマオリ語と英語の歌詞があり必ず両方が歌われます。
テレビ番組や日常会話の中にもマオリ語の単語は登場しますので、マオリ語についてある程度の知識が必要です。
先日もマオリ語週間に向けて、公共バスにマオリ語のアナウンスが導入されました。
今では、観光地や空港などいたるところで英語とマオリ語が併記された看板を目にすることができます。
海外からの旅行者もニュージーランドの素晴らしい景観を楽しむだけでなく、マオリ文化や伝統の体験を求められるようになりました。
マオリの文化や伝統を紹介する旅行ツアーも多く、マオリの歌や踊りを楽しむことのできるマラエ訪問やハンギディナーなどが人気です。
マオリ語週間に興味を持ったなら
マオリ語の読み方は日本のローマ字読みと発音が似ています。
そのため日本人には非常に読みやすく、発音がしやすいのが特徴です。
簡単な単語ならすぐに覚えることが出来ます。
ニュージーランドでまず最初に聞くといってもよいマオリ語は”Kia ora(キア オラ)”
マオリの挨拶で”こんにちは”と意味です。
続いて耳にするのは”Aotearoa(アオテアロア)”ではないでしょうか。
マオリ語でニュージーランドのことなのですが、意味は”白く長い雲のたなびく地”
他にもブルーチーズの名前にもある”Kikorangi(キコランギ):青色”や花の名前にもある”Kowhai(コファイ):黄色”など、いくつかの単語を知っておくとニュージーランドがさらに楽しくなるかもしれません。
情報元:Planeta.com/Te Wiki o te ReoMaori