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絶滅した鳥モア

Ratite birds

かつてはニュージーランドには飛べない鳥モアが生息していました。

モアは鳥類ダチョウ目モア科の総称で、ニュージーランドには9種類のモアがいたとされています。
その中でも最大の大きさを誇っていたのは”ジャイアントモア

名前の通り、最大で高さ3.6mに達し、体重は250kgと、現存する最も大きな鳥であるダチョウよりもはるかに巨体。
絶滅していなければ、世界で最も背の高い鳥であったことは間違いありません。

卵も非常に大きく、現在博物館に保存されている最も大きなモアの卵は、最大で全長24㎝、幅17.8㎝、重さは4kg。
一度に2~4個の卵を産んだといわれています。

オスよりもメスのほうが大型で、高さで1.5倍、重さで2.8倍程度の差があったそうです。

モアは草食性で、長いくちばしの先は下に曲がっていて、葉や木の実を小枝ごとむしり食べていました。
ニワトリなど他の鳥たちと同じように体の中に砂嚢と呼ばれる飲みこんだ石をためる袋を持っており、この中で食べた植物を石とすり合わせることで消化を助けていました。

モアの名前の由来

モアの名前の由来については、実は呼び名を勘違いしたことに始まります。

モアの絶滅後にヨーロッパ人が入植し、その後、モアの骨が絶滅した鳥の骨としてトレーダー達の注目を集めます。

そのため、原住民に骨を集めさせる折に「More bone!(もっと骨を)」と言っていたことから、原住民が鳥の名前を”More(モア)”と勘違い。
やがて、その名が浸透したといわれています。(諸説あり)

また、1840年にヨーロッパの科学者によって絶滅した鳥として、初めてモアの骨が発表されたとき、世界最大の鳥類として国際的な注目を集めました。
一時的にはモアはニュージーランドの国の象徴となり、1890年代頃には「モアの国」と呼ばれたことも。

しかし、既に絶滅していることもあり、残念ながら象徴的な地位はすぐにキウィに置き換えられることになるわけです。

翼をもたない持たないモア

モアは飛べない鳥として有名です。
ニュージーランドには絶滅してしまったモアの他にも何種類かの飛べない鳥がいます。

カカポ、キウィ、タカへ、ウェカ、他にもペンギンなど。
しかし、これらの鳥類は飛ばないだけで翼を持っています。

なのに、モアは鳥類なのにも関わらず、翼どころかその痕跡すら骨格にない珍しい鳥なのです。
そのかわりに発達した丈夫な足をもっており、最高速度50h/kmにもなったと推測されています。

かつてニュージーランドには外敵となる哺乳類がいませんでした。
そのため、外敵に狙われることがなかったため翼が退化していったといわれています。

外敵のいなかったモア。
何故モアは絶滅してしまったのでしょうか?

モアが絶滅した理由

かつてマオリがワカにと呼ばれる船に乗り、ニュージーランドにわたってくる以前、モアは58,000ほどいたと推定されています。

しかし狩猟の対象になり、モアの数は減少。
モアは大量の食料を供給するだけでなく、その骨は釣り針や装身具、工具材として利用され、羽毛はケープや首飾りに用いられました。

モアの減少は乱獲によるものだけではありませんでした。

モアは卵を2~4個しか産まない上に、卵は壊れやすかったとされています。
繁殖力の低さに重なり、開拓による自然環境の変化など複合的な要因が減少に拍車をかけたのです。

マオリの貝塚から発見されるモアの骨の数から、モアの狩猟は1300年代をピークとして、個体数の減少より徐々に衰退。
1550年頃の貝塚には、ほとんど骨が見られないことから、この頃には絶滅したと推測されています。

もしかしたらまだ生存しているかも?

絶滅したといわれるモア。
けれども、過去に何度か目撃情報がたびたび報告されています。
しかし、写真もピンボケであったりと、どれもネッシーや雪男のような都市伝説に近い話でした。

ですが、ニュージーランドには今も広大な原生林が残されており、一部の学者たちの間では生存する可能性を否定できないと述べています。

この先も目撃情報がでるのかは気になるところ。
可能性は低いとはいえ、出来れば今も生存しててほしいものです。

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便利帳管理人
2003年にニュージーランド(NZ)に移住。 持ち前の探求心、好奇心からNZでの楽しさを追及し続ける日々。 気が付けば早15年以上NZに滞在となるが未だ旅行者気分です。 オークランドを中心に仕事を兼ねてあちこちに出没。 InstagramではNZの写真を日々Upしてますので、お暇な方はどうぞ。