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全国の学校教師がメガストライキ!

teacher strike 2019

ニュージーランドでは、5月29日(水)に全国の小中学校教師及び校長先生達(NZEI&PPTA)による『共同ティーチャーストライキ(joint Teacher Strike)』が行われます。
このストライキ、昨年度2018年に24年ぶりに行われたのをかわきりに今回で3回目。

ニュージーランド主要都市にてストライキデモが行われます。

今回のストライキは過去最大のメガストライキと言われおり、全国で約5万人が参加する予定です。
また、2,000以上の学校がストライキにを行うため、約80万人の学生に影響がでるといわれています。

日本では行われない学校教師によるストライキ

ニュージーランドだけでなく、アメリカやイギリス、ドイツなど、世界のあちこちで行われる学校教師のストライキ。
ですが、日本の公立学校教師によってストライキが行われたというのは聞いたことがありません。

それは『地方公務員法』が大きく関わっています。

 地方公務員法 第37条

(争議行為等の禁止)
職員は、地方公共団体の機関が代表する使用者としての住民に対して同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は地方公共団体の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。又、何人も、このような違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならない。
2 職員で前項の規定に違反する行為をしたものは、その行為の開始とともに、地方公共団体に対し、法令又は条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に基いて保有する任命上又は雇用上の権利をもつて対抗することができなくなるものとする。

地方公務員法 第61条 

4.何人たるを問わず、第三十七条第一項前段に規定する違法な行為の遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおり、又はこれらの行為を企てた者

【該当する者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。】

つまり地方公務員である公立学校教師よる”争議行為(ストライキ、サボタージュ等)”は禁止されているのです。
そのため日本では公立学校教師によるストライキは行われたことがありません。

ティーチャーストライキによる改善要求

ティーチャーストライキはNZEI(primary teachers and principals)とPPTA(secondary teachers )の共同ストライキです。
中等教師と初等教師はそれぞれ独自の課題に直面していますが、包括的な問題は同じだからです。

改善要求の主な内容

・給料の賃上げ
・教員不足問題の改善
・1クラスの少人数制
・特別支援児補助の増額
・キャリア開発

以上のような内容があげられています。

ニュージーランドは学生数は急速に伸びており、2025年までに中学生は10%以上増えると言われています。
逆に教師不足は深刻で、過去10年間で新卒の中等教員の卒業数が38パーセント減少。

賃金に対して求められることが多い仕事のため、教員になりたい人材が減っているのです。

教員の高齢化により、教員不足はさらに深刻化しています。
5人に2人以上の中等教員が60歳を超えているため、引退したときに交代する教員がいないのが現状です。

また、教師の待遇改善をすることによって、児童生徒達の教育環境も改善されるとしています。

気になるニュージーランド教師の給与

職業の給与比較、及び給与調査サイト『Pay Scale(2019年5月15日更新)』によると

小学校教師の平均給与

平均時給:NZ $ 24.40
年間平均:NZ $54,073

給料:NZ $ 46,537 – NZ $ 74,426
ボーナス NZ $ 1.03 – NZ $ 9,696
合計支払額:NZ $ 45,959 – NZ $ 74,217

中等学校教師の平均給与

平均時給:NZ $ 22.00
平均給与:NZ $ 68,150

給料:NZ $ 48,203 – NZ $ 80,782
ボーナス:NZ $ 1,510 – NZ $ 5,068
合計支払額:NZ $ 46,548 – NZ $ 81,103

教師の平均平均給与

平均時給:NZ $ 23.71
平均給与:NZ $ 61,042

給料:NZ $ 47,986 – NZ $ 147,949
ボーナス:NZ $ 1,100
合計支払額:NZ $ 41,321 – NZ $ 74,456

賃金待遇については16%Upを交渉しており、これが可決されるとニュージーランド高収入職業の20%にランクインするとのことです。

ニュージーランドのティーチャーストライキ

ストライキは終日行われるため、学校は休校になります。
保護者や生徒達には事前に休校について通知されており、共働きの保護者のために一定数の子供達を預かれるように配慮されています。

ニュージーランドの最低賃金は2019年4月に賃上げされ、5月現在NZ $17.70
ですから教師の平均給与が決して低賃金なわけではありません。

しかし、他の職種や待遇と比較した時に、小中学校教師という職業の負担と環境は大きく、もっと優遇されるべきであると主張しています。
確かにニュージーランドは、クラスの生徒を適切なレベルごとに分けて学ばせたり、障がい児も通常のクラスで一緒に学んだりと教師の負担は大きいです。

教師の待遇については、もっと優遇されるべきだとの声も保護者達からあがっています。

ニュージーランドでは教師だけでなく、看護婦やバスドライバーのストライキなど様々な職種のストライキやデモが行われます。
それは、”雇用安全衛生法(New Zealand’s Health and Safety in Employment)”により労働者にはストライキの権利が認められているためです。

見えない労働も多く、細かなケアも必要とする小中学校教師。
賃金の見直しが必要な時期なのかもしれません。

ABOUT ME
便利帳管理人
2003年にニュージーランド(NZ)に移住。 持ち前の探求心、好奇心からNZでの楽しさを追及し続ける日々。 気が付けば早15年以上NZに滞在となるが未だ旅行者気分です。 オークランドを中心に仕事を兼ねてあちこちに出没。 InstagramではNZの写真を日々Upしてますので、お暇な方はどうぞ。