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ニュージーランドの祝日 アンザックデー(ANZAC Day)

ANZAC DAY 2019

毎年4月25日はアンザックデー(ANZAC Day)国民の祝日です。
この日はニュージーランドだけでなく、オーストラリア・クック諸島・ニウエ・サモア・トンガ も祝日となっています。

アンザックデーって何?と聞かれると、一言でいうなら「終戦記念日」のような日。

全国ではアンザックの式典やパレードが行われ、赤いポピーの花や軍服をきた軍人をあちこちで見かけることができます。
場所によってはアンザックビスケットを振舞われることも。

また、ニュージーランド人にとって特別な日でもあります。

アンザックデー(ANZAC Day)とは?

そもそも、アンザックデーのアンザック(ANZAC)とは
Australia and New Zealand Army Corps.』の略。

オーストラリア&ニュージーランド連合軍の事です。

4月25日がアンザックデーと制定されたのは、1915年第一次世界大戦の4月25日にANZAC軍がトルコのガリポリに上陸したことに由来します。
アンザック軍は、当時オスマン帝国と呼ばれていたトルコのガリポリ半島へ上陸、この戦いにおいて多くの兵士が死傷しました。

翌年1916年、4月25日はアンザックデーとして戦死者を讃える日として命名。
当時は半日の祝日でした。

1921年 ニュージーランドでは、第一次世界大戦のガリポリの戦いで勇敢に戦ったアンザック軍及び、当時国の為に尽力した人々のために追悼を行う日としてアンザックデーを国民の祝日として制定。

しかし、第二次世界大戦以降ガリポリの戦いに参加した兵士だけでなく、すべての戦争における戦死者達を追悼し世界平和への祈りが捧げられる日となりました。

アンザックデーに行われる主な内容

ニュージーランドの全国各地でアンザックパレードや戦死者への追悼セレモニーが行われます。

オークランドでも毎年戦争博物館前にてドーンサービス(Dawn service)と呼ばれる式典が行われ、夜明けのラッパの音と共に開始されます。
軍人、退役軍人、赤十字など多くのコミュニティの人達が赤いポピーを身につけ、戦争博物館前の記念碑に集結。
花輪を献花したり、讃美歌や国歌斉唱、戦死者を称え祈りを捧げます。

その後のアンザックパレードには軍人だけでなく、退役軍人及びその家族やコミュニティ関係者も参加。

多くは軍服に身を包みメダルを付けていますが、左胸に付けているのが当事者。
右胸に付けているのは当事者ではなく、祖父母への敬意と誇りを示すために代理で付けているのだそうです。

また、この日は各”退役軍人協会(RSA=local Returned and Services Association)”ではコーヒーやラム酒アンザックビスケットが振舞われます。

アンザックの象徴

アンザックデーには不可欠なものがいくつかあります。
それはアンザックの象徴であり、アンザックデーを思い起こさせるもの。

アンザックが近くなると必ず見かけるものでもあります。

白い十字架

アンザックデーが近くなると、戦争博物館前や公共の場で目にするのが白い小さい十字架達。
きれいに並べるように埋め立てられた十字架には、戦死者達の名前が記されています。

ニュージーランドからのおよそ14,000人の兵士がガリポリの戦いに巻き込まれ、全体の約6分の1以上(約2,700人)が死亡しました。

赤いポピー

赤いポピーはアンザックデーの象徴と言われています。
戦地となったトルコのガリポリ一帯に咲いていたポピーが両軍の血で赤く染まったことから赤いポピーがアンザックの象徴となったとか。

しかし、実際には戦争で命を落としたすべての人の記憶の象徴のようです。
その起源は19世紀のナポレオン戦争、フランダースポピーがフランスとベルギーの兵士の墓の上に咲く最初の花までさかのぼります。

近年、赤いケシは布や紙で作られていて、戦争で命を落とした兵士たちへの支援を意味するために数日間着用されます。

アンザックビスケット

このビスケットは戦地に赴く兵士達の母や妻が愛情込めて作ったといわれるビスケット。

卵を使わずに、ココナッツやオーツなどをふんだんに使用しているため、大変日持ちが良く数週間は保存できます。
また栄養価も高く腹持ちも抜群。

兵士達は、単にお茶を飲みながら楽しみだけでなく、バラバラにしてお粥としても食べていたそうです。

今ではニュージーランドの人気ビスケット。
同様にオーストラリアでも人気があり、ニュージーランドとオーストラリアの両方がこのビスケットを発明したと主張しています。

半日営業

アンザックデーは大手スーパーマーケット、レストランなどほとんどのお店が午後1時までお休みとなります。

ニュージーランドには『店取引時間法(Shop Trading Hours Act)』があり、ほぼすべての店舗を閉鎖しなければならない日が一年に3日半あります。

クリスマスの日(祝日)
グッドフライデー(祝日)
アンザックデー、4月25日午後1時まで(祝日)
復活祭の日曜日(祝日ではありません)

アンザックデーはこの3日半に含まれるため、半日のみお休みとなるのです。

主要名所のライトアップ

オークランドではアンザックまでの間、スカイタワーやハーバーブリッジ、オークランド戦争博物館が赤くライトアップされます。
また、オークランドだけでなく全国的にこのようなライトアップが行われているようです。

アンザックデーのまとめ

アンザックデーは関係者以外の人にとって通常の祝日となんら変わりがありません。

けれどもアンザックデーはニュージーランドにとって大きな意味を持つ日。
ニュージーランドの歴史に触れる際には、必ず学ぶことの1つです。

この機会にニュージーランドの大切にしている価値観や文化を少しでも知っていただけると幸いです。

参考URL:New Zealand History

ABOUT ME
便利帳管理人
2003年にニュージーランド(NZ)に移住。 持ち前の探求心、好奇心からNZでの楽しさを追及し続ける日々。 気が付けば早15年以上NZに滞在となるが未だ旅行者気分です。 オークランドを中心に仕事を兼ねてあちこちに出没。 InstagramではNZの写真を日々Upしてますので、お暇な方はどうぞ。