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人の優しさで成り立っているポップアップ・ダイニング【EVERY DAY EATS】

EVERY DAY EATS

今回ご紹介するのは、ニュージーランドらしいちょっと変わったポップアップ・ダイニング『EVERY BODY EATS

オープンは週に1度だけ、毎回シェフも違えば、メニューも違う、人の優しさで成り立っており、名前の通り誰でも食べに行くことが出来ます。

食事に値段はありません。払える人が払えばよいため、金額も決まっていません。
もし支払うお金を持っていないのならば、払わなくてもよいのです。

コンセプトは【Pay As You Feel
あなたが感じた金額をお支払い下さいというもの。

貧しい人でも、お金持ちの人でも関係なく、オークランドの有名シェフ達が作る美味しい食事が提供されます。

食品廃棄物と食料貧困の2つの問題を解決

世界で生産する食料の約3分の1が廃棄されていることはご存じですか?
非常に多くの時間と資源を費やして食料を生産しても、多くの食料は廃棄されます。
ニュージーランドでは、その大半が埋め立てられ、地球温暖化につながるメタンのような有害な温室効果ガスを放出します。

同時に、2014年の調査では、ニュージーランドでは6人に1人が食料のお金を使い果たし、毎日の食事に困っています。
これは先進国の中でも最悪の食料貧困問題です。

この”食品廃棄物と食料貧困”の2つの問題を同時に解決するべく設立したのが、ポップアップ・ダイニング『EVERY BODY EATS

食材は元のスーパーマーケットなどから、処分の対象になる食材を食料救助の慈善団体であるキウイハーベストが直接収集します。

つまりメニューは廃棄寸前の食材
消費期限が切れてしまうお肉、茶色のバナナ、賞味期限が切れるパンや缶詰などがメイン。
さらに寄付金から食材を追加し、ボランティアのシェフ達が料理することによって、レストランで提供できる3品のコースメニューが完成します。

完成したコースメニューは、ボランティアスタッフによって給仕され、毎週約250人~350人のお腹を満たします。

EVERY BODY EATSの主な存在理由は、ホームレス、高齢者、精神衛生や薬物乱用の問題を抱えている人など、経済的に苦労している人に食事を提供することですが、経済的な余裕に関係なく、誰でも利用することができます。

なぜなら、これは普通の食事ではなく、無駄になるはずだったものを必要に応じて食事をすることを目的とした”EVERY BODY EATS”だからです。

Everybody Eatsのようなポップアップ・ダイニングは、従来のレストランよりもコストが大幅に低いため、食事に対して”市場価格”を支払うことができない人へも持続的に食事が提供可能です。
これまでに7,000以上の食事を提供し、埋め立てられるはずだった5tの食材を流用しました。

シェフやスタッフはボランティアの皆さん。

基本的にすべて寄付金とボランティアスタッフで成り立っているのです。

人と人を結びつけるレストラン:EVERY BODY EATS

2017年6月以来、毎週月曜日にオークランドのレストランGemmayze Stの終了後、お店のスペースを利用してEVERY BODY EATSはポップアップ・ダイニングを行っています。

メニューは月曜の午後、Instagramのストーリーに3品のメニューが掲載。
ベジタリアンにも対応しています。

前菜
『しいたけのクリームスープ&サワードウ・ブレッド』

メイン
『メキシカンチョリソー&とうもろしとアボカドのサルサのせ』
ベジタリアン用メイン
『メキシカンビーンズ&とうもろこし&アボカドのサルサのせ』

デザート
『チョコバナナケーキ、バナナキャラメル添え』

※メニューは毎週異なります。

午後6時ぐらいになると、どこからともなく人が集まり、アーケードの中に長い列ができ、お金を支払う、支払わないに関係なく来た順番に席に着くことが出来ます。

サービスが開始されると12個の共用テーブルはすぐにいっぱい。
席につくと15人のボランティア スタッフによって次々と食事が運ばれてきます。

1品目
『しいたけのクリームスープ&サワードウ・ブレッド』しいたけのクリーミーなスープにねぎとバジルソースがかかっており、サワードウ ブレッドが添えられています。

2品目
『メキシカンチョリソー&とうもろしとアボカドのサルサのせ』
ご飯の上にとうもろこしとアボカドのサルサとチーズがかかっており、メキシカン チョリソーが散らばされています。

3品目
『チョコバナナケーキ、バナナキャラメル添え』

チョコバナナケーキの上には、サワークリームと砕いたドライフルーツ。
そして横にはバナナキャラメルが添えられています。

食事は個人のペースで。
1品食べ終わると次のお皿が運ばれてくるため、自分の食事が終われば席を立ち次の人に席を譲ります。

あとは、ボランティアの皆さんに感謝の言葉を伝えて帰るだけ。

お財布に余裕がある人は壁に設置されている貯金箱に現金で、もしくはeftpos (エフトポス)というデビットカードで自分が支払いたい金額を寄付します。
※eftpos (エフトポス)での支払いの場合、20ドル、50ドル、100ドルのみと設定となります。

参考までにですが【10ドル=3人分のコース料理】が提供できるそうです。

支払いについては、スタッフがいるわけではありませんので、誰がどれだけ支払うのかは誰にもわかりません。

ただ、創設者であるNick Loosley(ニック・ローズリー)氏によると、約30%ぐらいの人が支払いをしていると推定しています。

また、食べ物は、人々を結びつけるための最も素晴らしい方法の1つ。
すべての人が平等に食事を共有することで、信頼が深まり良い影響を与えてるため、すべての人に来てもらいたいということです。

EVERY BODYは、ボランティアの支援と寄付で運営されている登録慈善団体です。
そのため寄付金は追加の材料や運営費などに利用されます。

これまでにオークランドの一流レストランやシェフを含む400人以上がボランティアに参加。
レストラン協会のグッドネイバー賞も受賞しています。

さらに『EVERY BODY EATS』は9月末にOnehunga(オネハンガ)に常設店をOpenしたばかり。
これからもより多くの人の空腹を満たしてくれそうです。

EVERY BODY EATSGemmayze St

営業日時:毎週月曜日 6:00pm~8:00pm
住  所:  St Kevin’s arcade, 183 Karangahape Rd, CBD, Auckland
Facebook:EVERY BODY EATS
Instagram:EVERY BODY EATS

EVERY BODY EATS(One)

営業日時:毎週日曜日~木曜日 6:00pm~8:00pm
住  所:Onehunga Neighbourhood Eatery & Thinkspace,306 Onehunga Mall

 

ABOUT ME
便利帳管理人
2003年にニュージーランド(NZ)に移住。 持ち前の探求心、好奇心からNZでの楽しさを追及し続ける日々。 気が付けば早15年以上NZに滞在となるが未だ旅行者気分です。 オークランドを中心に仕事を兼ねてあちこちに出没。 InstagramではNZの写真を日々Upしてますので、お暇な方はどうぞ。