お役立ち雑学

Halloween(ハロウィン)の知るともっと面白い雑学

Happy Halloween

もうすぐハロウィンがやってきます。
ニュージーランドでもパーティー関連のお店ではハロウィングッズの飾りやコスチュームが売られ、子供たちはその日を楽しみにしています。

とはいえ、ここまでハロウィンが盛んになったのは、ここ10年ぐらいのこと。
敬虔なクリスチャンが多いニュージーランドでは、始まりが異教徒のお祭りであるハロウィンはあまり受け入れられませんでした。

最初は教会やコミュニティセンターなどで”Light Party(ライトパーティー)”という名前で、子供たちがコスプレを楽しんだり、ゲームをしたり、お菓子を食べたりというものでした。

ですが、キウィの皆さんは基本的にお祭り&コスプレが大好き。
若い人たちを中心に徐々にハロウィンは浸透し、今ではハロウィンになると衣装を着た子供たちが近所の家にお菓子をもらうために近所の家を訪問します。

それでも、やはり高齢の方になると”ハロウィン”と聞くだけで眉をひそめる人も多く、ハロウィン当日は門を閉めておいたり、”No Halloween”の文字を貼っておく人もいます。

現在では子供たちの間の暗黙の了解のようなものがあり、入口や家にハロウィンの飾りがある家はお菓子をもらいに行ってよい家と認識されています。
ですから、子供たちの訪問を楽しみにしている人は玄関口に飾り付けをしておくと良いかもしれません。

第38代ニュージーランド首相 John Key(ジョン キー)もハロウィンの日は門を開け、訪問してくる子供たちにお菓子をあげたとして話題になりました。

ハロウィンの起源は古代ケルト人のお祭り

ハロウィン=コスプレしてバカ騒ぎする日 と思っている方もいるかもしれませんが、実は以外に歴史は長く、古代ケルト人の【Samhain festival (サムハイン祭)】と呼ばれる収穫祭に始まります。

ケルト人は自然崇拝の多神教で、日本でいう八百万の神に近いものがあり、1年を夏の光と冬の闇の二分にして考えられていました。

ケルト人の暦では1年は11月1日に始まり10月31日に終わるため、夏の終わりである10月31日の前夜祭とし、冬の始まりである11月1日を祝祭(サムハイン祭)としたのです。

また、サムハイン祭は夏の収穫を祝うだけなく、光の終わりである10月31日に暗黒の神サムハインが全ての死者を集めると信じられていました。

しかし、先祖の霊だけでなく災いをもたらす悪霊などの死霊もやってきて街をさ迷うため、悪霊に認識されないようマスクや衣装を身に着けました。

特に悪霊は動物となって現れるのですが、その中でも一番の悪霊は猫。
悪霊を怖がらせるために暖炉に火をつけたり、魔よけのかがり火を焚きました。

さて、この収穫祭と大晦日とお盆が一度にくるようなサムハイン祭りですが、1世紀にローマ人がケルト人を征服すると、そこに果実と収穫を司る女神ポモナを讃えるお祭り(11月1日頃に開催)が加わります。

そのため11月1日の前日の10月31日は、死者と暗黒の神サムヘインと果実の女神ポモナを讃えるお祭りとなり、やがてハロウィンのテーマカラーは女神ポモナのイメージカラーであるオレンジと闇を表す黒になります。

さらに8世紀になるとローマのカトリック教会が11月1日を全ての聖人を礼拝する【万聖節(All Saint’s Day)】と定めました。

ハロウィンの名前の由来は、このカトリック教会の万聖節(All Saint’s Day)からきています。
万聖節は別名:All Hallows(オール ハローズ)

ハロウィンは万聖節である11月1日の前夜(Eve)ですから英語で「All Hallo Eve
All Hallo Eve」 が転じて、Halloween(ハロウィン)と呼ばれるようになったのです。

アイルランド系の移民が飢饉などによりアメリカに移住し始め、ハロウィンが広がるとさらに盛り上がりを見せます。

みなさんがご存じの【Trick or treat(トリックオアトリート):お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ!】という言葉はアメリカで生まれ。

いつ、その言葉が生まれたのかは定かではありませんが、1900年ごろにいたずら好きな子供たちが言い始めたのではないかと予測されています。

次第に言葉は定着し、テレビやアニメなどの媒体にもハロウィンが出てくるようになり、1952年のウォルト・ディズニーの短編映「Donald Duck – Trick Or Treat 」で地位を確立。
アメリカに広く受け入れられるようになりました。

今では世界的に盛り上がりを見せるイベントとなったハロウィンですが、実は長い年月をかけて宗教や文化が融合。少しづつ解釈や意味合いが変わり、今では子供や大人に関係なく、世界中の人が楽しむイベントとなっていったのです。

ジャックオーランタンはカブだった?!

【Jack O Lantern(ジャック・オー・ランタン)】といえば、オレンジのかぼちゃをナイフでくりぬき顔を彫って、内側にろうそくを立てるちょうちんのこと。
善霊を引き寄せ、悪霊達を遠ざける効果があるといわれています。

ハロウィンのシンボルの1つでもあり、実際にかぼちゃを彫るまではしなくても、ジャック・オー・ランタンの飾りを家の戸口や玄関先などに置きます。

ジャック・オー・ランタンの意味は”ランタン持ちの男
アイルランドに伝わる伝説にでてくる男のことです。

~一部抜粋~

悪魔を騙し死んでも地獄に落ちないという契約を取り付けたジャック。
地獄にこそ行かなかったものの、生前に堕落した人生を送ったまま死んだため天国にも地獄にも行くことができませんでした。
暗闇をさまようことになったジャックは悪魔に頼んで火の玉を1つもらい、萎びて転がっていたカブをくりぬき、それを入れたランタンを片手に持ち、いく当てもなく彷徨っています。

話にもあるようにジャックオーランタンは、かぼちゃではなくカブだったのです。

しかし、この伝説がアメリカに伝わると、カブのランタンはアメリカでの生産が多かったカボチャのランタンに変化。
そのため、スコットランドでは現在もかぼちゃではなく、ルタバガと呼ばれるカブを使っています。

Trick or treat(トリックオアトリート)の意味

子供たちが仮装をして近所の家を周る時に言う定番の言葉”Trick or treat(トリックオアトリート)”

日本語でTrickは”たわいのない悪戯”、Treatは”おもてなし
ですから文章にすると「お菓子をくれないといたずらしちゃうよ」といった意味になります。

子供たちが訪ねてきて”Trick or treat(トリックオアトリート)” と言ったときは、大人は「Happy Halloween!(ハッピーハロウィン!)」といって、子供たちにお菓子をあげます。

あげないと悪戯をされるかと思いきや、ニュージーランドにおいては実際に悪戯されることはほとんどありません。
ですが、しょぼんと帰る後ろ姿をみると、悪いことをした気分になるので、ある意味これがTrick(悪戯)なのかもしれません。

最近では配るハロウィンのお菓子もバラエティ豊かになり、ドクロの飴やモンスターのクッキー、目玉チョコレート、ホラーなグミ、などが一般的。
お菓子がない人はコインをあげることもあります。

ハロウィンの仮装=怪物?妖怪?お化け?

魔女、フランケン、悪魔、ミイラ男、ドラキュラ、ゾンビなど西洋の妖怪が大集合したようなハロウィンの仮装。

実はこれらは文化が入り混じった際に派生したもの。

最初の仮装の目的はケルト人のサムハイン祭の時に街にやってくる悪霊を怖がらせたり、同化することによって悪霊のもたらす災いを遠ざけるためにマスクや変装をしていました。
しかし、時代と共に宗教や文化などが融合してゆくうちに悪霊にからめてドラキュラやゴブリンなど色々な存在が結びついていったようです。

今ではニュージーランドでも、子供だけでなく若い人たちを中心に仮装を楽しむ人が増え、ハロウィンイベントでは仮装コンペティションなどが行われています。

仮装をして街を歩いたり、ハロウィンパーティーを開いたり。
子供から大人までの楽しい仮装イベントとして楽しまれているようです。

ハロウィンまであとわずか。
みなさまも楽しいハロウィンを。

Happy Halloween

情報元:Wikipedia(ハロウィンの行事,ジャックオーランタン他)/ブリタニカ百科事典(英語)/ポモナの祭

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便利帳管理人
2003年にニュージーランド(NZ)に移住。 持ち前の探求心、好奇心からNZでの楽しさを追及し続ける日々。 気が付けば早15年以上NZに滞在となるが未だ旅行者気分です。 オークランドを中心に仕事を兼ねてあちこちに出没。 InstagramではNZの写真を日々Upしてますので、お暇な方はどうぞ。