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ニュージーランド シラミ情報

Head Lice

嬉しくない話ですが、ニュージーランドに限らずとも世界中どこにでもいるのがシラミ。
どこの国であっても感染の危険はあるのですが、ニュージーランドでの感染確率は日本よりはるかに高いです。

シラミには、アタマジラミ、コロモジラミ、ケジラミと主に三種類に分けられます。
ニュージーランドで特に悩ませられるのはこの”アタマジラミ”

特に幼稚園から小学校中学年(3歳~11歳ぐらい)にかけては、過半数の子供達がアタマジラミに感染します。

というのも、シラミは飛んだり、はねたりすることが出来ません。
しかし、子供達は頭を寄せ合うなどして遊ぶため感染しやすいのです。

もちろん子供が感染すると大人への感染率も高まります。
もし子供がシラミに感染してきたら、家族全員の頭髪も確認しましょう。

また、バックパッカーなどの宿泊で感染することもあるのでご注意下さい。

ニュージーランドのシラミの概念

日本でシラミに感染したとなると大騒ぎになりそうですが、ニュージーランドでは日本ほど騒ぐ人はあまりいません。

我が子がシラミに感染したとしても”あぁ、シラミね。みんなが通る道よね。”といった様子。
シラミは誰もがもらってくるものだから仕方がないと思っている人が多いようです。

実際にキウィママに「頭をどんなに清潔にしても関係ないわ、シラミは誰でももらうのよ」と言われたことが。

確かにシラミは頭髪の清潔度合いに関係なく感染します。
しかし、ニュージーランドでは毎日頭を洗わない人も多く、感染の広がりの要因の一つとなっているように思われます。

ニュージーランドの各小学校でも一年に数回ほど”シラミ発生のお知らせ”が配布されます。
シラミ発生のお知らせには、シラミについてやケアの仕方などセットで記載。

防ぐ手段は限られていますので、万一感染した場合の対策をどうするかが大きな課題となっています。

アタマジラミと卵


英語ではアタマジラミのことを『ヘッドライス(Head lice)』、またシラミの卵を『ニッツ(Nits)』と呼びます。

アタマジラミはその名の通り、人間の頭にのみ生息。
感染するとシラミは雄雌共に吸血を開始するため、頭皮に痒みが走り、ただれることも。

しかし、シラミを媒介して何か違う他の病気に感染することはありません。
人間からの吸血のみで生きるという、ただひたすらに迷惑な害虫です。

卵(Nits)

大きさ:約 0.5㎜ 約10日間ほどで孵化
色:薄い灰色。孵化後は白っぽくなります。
産卵場所:頭髪の根元付近(1㎝~2㎝あたり)及び耳の後ろ近辺。

卵は髪の毛にしっかりと接着しており、1週間~10日間ぐらいの間に孵化します。
そのため、頭髪の根元から5㎝以上離れている場合は既に孵化しており、感染してから数週間が経過しています。

シラミ 幼虫~成虫(Nymph~Head lice)

大きさ:約2~3㎜
色:茶色または濃い灰色
寿命:約1か月半(脱皮を3回繰り返して10日間ほどで成虫。)
産卵:1日約5~7個(雌成虫は一生に約100~150個産卵)

ニュージーランドでシラミを駆除するには?

現在ニュージーランドで最も有効な方法として医者から処方されるのは『ジメチコン4%ローション200ml
また13歳未満のお子様は、主治医を通して処方箋をだしてもらうと無料で入手できます。

ジメチコンとは
オイルに溶けにくい性質をもった無臭・無色透明のシリコーンオイルです。
皮膜力が高いことが特徴で、撥水作用や潤滑性が高いため あまりべたつきません。
多くの化粧品などにも含まれており、安全性の高い成分です。

使用方法

使い方はいたって簡単。
根元から先端まで髪を塗り、ローションを広げるために髪をとかします。
その後、一晩(少なくとも8時間)そのままにし、通常のシャンプーとコンディショナーで洗い流すだけ。

残りの卵が孵化する可能性があるので、シラミを窒息させるために7日間この治療を繰り返します。

ジメチコンの特性は卵とシラミを窒息させますが、肌を通して吸収されることがないため子供でも安心して利用することができます。
また他の処方に比べてはるかに効果的なのだそうです。

その他の駆除方法

もちろん市販のシラミシャンプーやニットコームもスーパーマーケットや薬局で購入可能。
特にニットコームはジメチコンの治療後に死んだシラミや卵を除去するのに役立ちます。

ただ市販のシラミシャンプーは毒性の強いものもありますので、頭皮の弱いお子様にはすすめられないものも。
そのため購入の際は、使用されている薬剤をきちんとご確認下さい

また化学薬品はという方には、ニュージーランドですとティーツリーオイルなどの自然なものも手軽に購入できます。
しかし、稀にアレルギー反応がでる方がいますので、パッチテストをしてからご利用下さい。

その他にもニュージーランドの家庭療法でよくバターやマヨネーズという話を聞きますが、こちらは科学的根拠はあまりないそうです。

全くの効果がないわけではなさそうなのですが、確実な方法をおすすめ致します。

シラミをもらわないために


シラミは歩くことしか出来ないこともあり、通常、家族や学校の同級生など、毎日 接触している人々の間に感染します。
家族内及び学校内感染を防ぐために、クシ・タオル・枕・帽子など、頭に触れるものを共用するはやめましょう。

特に髪の毛が長い場合は、髪の毛を束ねておきましょう。
これだけで感染がかなり防げます。

子供がまだ小さいようでしたら、大人がしっかりと髪を洗ってあげて下さい。
きちんと洗髪することでアタマジラミを減らすことが期待できます。

また学校や家族の誰かがシラミに感染している場合は感染のリスクがあるので、こまめに頭髪(特に後頭部)を確認して下さい。
感染を広げないためには早期発見・早期対応が重要です。

シラミに感染した人が使用したベットリネンや衣類は、熱めのお湯(55℃以上)で洗濯。
干す際も天日干しより乾燥機がおすすめです。

洗濯機出来ないものはドライクリーングに持っていくか、気密性の高いバッグなどに入れ最低3日間は保存。

シラミは一旦人から離れてしまうと飢餓と乾燥で2~3日で死滅しますので放置しておくだけでOKです。

やってはいけないこと

・殺虫剤などを頭に塗布する。

頭皮は非常に繊細で、薬剤を吸収しやすいです。
そのため、殺虫剤などを使用されると健康を害する恐れがあります。

・ガソリン系の揮発性の高いものを塗布する。
揮発性の高い薬剤は引火の元になります。
何かのタイミングで発火するおそれがありますので、ご使用はお控え下さい。

・ドライヤーの使用
ドライヤーは周りにシラミを飛ばす可能性があります。
近くにいる他の人を感染させる恐れがありますので、おすすめしません。

えー、そんな事する人いるの?と思いがちですが、ニュージーランドのシラミ発生のお知らせに必ず記載されている事項です。

シラミ小話

約700万年前から人間を困らせ続けるシラミ。
今現在も国によっては子供の75%以上が感染するという、非常に頭が痒くなりそうなデータです。

嘘か本当か真偽のほどは不明ですがニュージーランドでは、よく髪の毛が太い人はシラミをもらわないといいます。
しかし答えからいくと”もらう確率が低い”です。

シラミは髪の毛1本1本にしがみつきながら移動しますので、太い毛や縮れている毛などくせの強い毛は動き回るのに容易ではありません。
そのため髪の毛も細く掴まりやすい子供の髪の毛は絶好の生活環境と言えます。

自分の子供はもちろんですが、身近な子供にアタマジラミの感染が確認された時にパニックになる人もいます。
そのためかもしれませんが『シラミ発生のお知らせ』には、シラミを見つけたらするべきことの項目に”落ち着いて深呼吸をして下さい”というのを見つけました。

シラミは清潔にしていてももらいますが、きちんと洗髪を毎日していれば感染したとしてもそれなりに抑制はできます。
何故そんなことをと申しますとやはり頭を洗わないとシラミが大量に増え、風もないのに髪の毛が揺れることがあるからです。

もし風もないのに髪の毛が揺れていたら、、、お気をつけ下さい。

ABOUT ME
便利帳管理人
2003年にニュージーランド(NZ)に移住。 持ち前の探求心、好奇心からNZでの楽しさを追及し続ける日々。 気が付けば早15年以上NZに滞在となるが未だ旅行者気分です。 オークランドを中心に仕事を兼ねてあちこちに出没。 InstagramではNZの写真を日々Upしてますので、お暇な方はどうぞ。