New Zealand National Anthems
ニュージーランドの国歌といえば『God Defend New Zealand(神よニュージーランドを守り給え)』
ですが、これは英語バージョンの名前。
この他にマオリ語バージョンの『Aotearoa(ニュージーランド/白く長い雲のたなびく地)』があります。
ラグビーの試合前などに歌う国歌は、マオリ語バージョンを先に歌い、続いて英語バージョンと1曲づつ歌うのが一般的です。
また公式な場では国歌斉唱の際に手話がつきます。
何故に手話?と思うかもしれませんが、それはニュージーランドが2006年に”ニュージーランド手話”を公用語にしたから。
ニュージーランドは世界で初めて手話を公用語にした国なのです。
また、ニュージーランド国家は、マオリ語バージョン、英語バージョン、共に1番~5番まで歌詞があります。
国歌が2つあるニュージーランド
マオリ語と英語で歌う国歌。
だから2つというわけではありません。
実は『Aotearoa/God Defend New Zealand』の他にもう1つあるのです。
ニュージーランドの国家元首はイギリスのエリザベス女王2世。
そのためイギリス国歌である『God save the Queen(神よ女王を守り給え)』がもう1つ国歌として制定されています。
ちなみにこの2つの国歌のうち、古くから制定されているのは『God save the Queen(神よ女王を守り給え)』の方。
『God Defend New Zealand(神よニュージーランドを守り給え)』が、もう1つの国歌として制定されたのは1977年のことでした。
そもそも『God Defend New Zealand(神よニュージーランドを守り給え)』は、最初、国歌として作られたものではありません。
1870年に”Thomas Bracken(トーマス・ブラッケン)”によって歌詞が書かれ、曲は”John Joseph Woods(ジョーン・ジョセフ・ウッズ )”が1876年に作曲コンテスト用に作曲したものでした。
John Joseph Woods(ジョーン・ジョセフ・ウッズ )の曲は見事コンテストに優勝。
やがて、この曲は19世紀から20世紀前半にニュージーランドで人気を博します。
そして、1940年。ニュージーランド政府がワイタンギ条約100周年記念祝賀の祝歌用にこの曲の著作権を購入。
その後1976年に、この曲をニュージーランドの正式な国歌とする嘆願書が議会に提出され、翌年の1977年11月21日、イギリスのエリザベス2世女王の許可を受け、ニュージーランドの第2の国歌として制定されたのです。
エリザベス女王2世は「君臨すれど統治せず」を原則としているため、基本的には、儀礼的な国事行為を行う存在。
そのため、『God Save the Queen(神よ女王を守り給え)』は、エリザベス女王2世がニュージーランドに訪問する際やクィーンズバースデーなど、女王および王室関係者が居合わせる場でしか歌われないため、ニュージーランドの国歌としてはあまり知られていないというわけです。
『Aotearoa/God Defend New Zealand』
ニュージーランド国歌、既に聞いたことのある人も多いのではないでしょうか?
マオリ語と英語から歌われるニュージーランド国歌はそれぞれ意味が少し異なります。
まずは歌詞と意味を比べてみましょう。
マオリ語バージョン:
Aotearoa
E Ihowā Atua,(我らが国の)
O ngā iwi mātou rā(我らが主や神はあの向こうで)
āta whakarongona;(優しく我らに耳を傾ける)
Me aroha noa(無限の愛をこめて)
Kia hua ko te pai;(神は良い実を結ぶだろう)
Kia tau tō atawhai;(神は優しくなるだろう)
Manaakitia mai Aotearoa(神よニュージーランドを守り給え)
ニュージーランド国家は、まずマオリ語バージョンを歌い、その後に英語バージョンを歌います。
そのため1曲目だけ聞くと何語???となることも。
マオリ語は日本のアルファベット読みとほぼ同じ発音なので、日本人には非常に発音しやすい言語です。
英語が苦手な人には音だけならマオリ語の方が簡単に聞き取れるかもしれません。
英語バージョン:
God Defend New Zealand
God of Nations at Thy feet,(神の下に生まれし国)
In the bonds of love we meet,(われらを結びし愛の絆)
Hear our voices, we entreat,(届われらの声)
God defend our free land.(神よわれらの自由なる国を守り給え)
Guard Pacific’s triple star(太平洋に輝く3つの星)
From the shafts of strife and war,(敵の魔の手から之を守らん)
Make her praises heard afar,(響き渡る主への賛美)
God defend New Zealand.(神よニュージーランドを守り給え)
翻訳は人によって若干異なりますが、神によって守られし国といった内容です。
クリスチャンが多いニュージーランドらしい歌詞な気がします。
ただ共通していえることは、どちらの歌詞も神様の愛があふれた内容ということでしょうか。
ニュージーランドの国歌は日本よりも歌う機会が非常に多いです。
学校などの正式な場だけでなく、公式スポーツ戦などでも必ず歌うため、気がつくと覚えていたという人も。
特にラグビーの国際試合は非常に盛り上がるため、スポーツバーなどでも誰か1人が歌いだすと突如大合唱になることもあります。
ただ、おまけ話ですがキウィの皆さんはマオリ語バージョンを歌えない人も多いです。
やはりマオリ語は意味が良くわからないため、記憶に残らないのだとか。
マオリ語はニュージーランドの公用語ではあるものの、きちんと話せる人は少ないのです。
さて、最後に『God Defend New Zealand』の1番~5番までのフルバージョン動画をお届けします。
ニュージーランドの壮大な美しい景色と一緒にお楽しみ下さい。
(1番目のみマオリ語で、それ以降は英語となっています。)
『GOD DEFEND NEW ZEALAND – (with lyrics) – FULL LENGTH』