Go Plastic Free This July
ニュージーランドでは7月1日からの使い捨てレジ袋の禁止が施行され、毎日の生活からプラスチック製品が1つ姿を消しました。
しかし、レジの使い捨てビニール袋を禁止するだけでは、埋め立てのごみがゼロにはなりません。
そこで、オークランドカウンシルは7月1日からのレジ袋の廃止に伴い、プラスチックフリーの生活を1か月間過ごす『Plastic Free July』キャンペーンへの参加を推奨しています。
また、Plastic Free JulyとはPlastic Free Foundationが率いるキャンペーンで、この環境への取り組みは、2011年にオーストラリアのパースにある小さなチームが使い捨てのプラスチックを1か月間拒否したことに始まります。
現在では世界170カ国以上で何百万人という人々が毎年参加する、世界でも影響力のある環境キャンペーンの1つです。
プラスチック製品を減らさなくてはいけない理由
※映像には鳥の死骸などの画像が含まれていますのでご注意下さい。
私達の生活の中に必ず存在するプラスチック。
ペットボトル、ストロー、食品包装、レジ袋、歯ブラシ、フォーク、子供のおもちゃ、ビニール傘、雨合羽にいたるまで、あらゆるものがプラスチックでできています。
しかし、その半数近くは一度使われると、ごみとして捨てられます。
なぜなら実際にリサイクルされるプラスチックは全体の10%もありません。
回収されたものは汚れや混合物が多すぎるため、食品包装業界が求めるような高水準の原料を製造することは不可能だからです。
プラスチックの焼却も適切な技術と条件が整っていないと大変危険なため、焼却されるごみも全体の12%程度。
また、熱回収を含めた焼却処理は、温室効果ガスであるCO2を発生させるため、気候変動や大気汚染の原因と言われています。
そのためプラスチックごみのほとんどはリサイクルされることもなく、燃やされることもなく、ただのゴミとして地球上のどこかに存在します。
プラスチックは雨風にさらされ、河川などから流れ、最終的にいくつ先は海。
海には毎年800万トン以上のプラスチックが流出しています。
海に流出したプラスチックは、やがて紫外線や海流などで劣化して細かくなり”マイクロプラスチック”と呼ばれる5㎜以下の小さなプラスチックの破片になります。
これらは海流に乗って世界中の海を漂い、汚染物質の運び屋となるのです。
マイクロプラスチックは、製造時に使用された有害な添加剤を海水中に放出します。
小さなサイズに崩れてしまったことで、プラスチックの内部に潜んでいた化学物質があらわになり流れ出すためです。
マイクロプラスチックは既に海のあらゆる場所に存在しており、多くの種類の海洋生物がマイクロプラスチックを誤食することが確認されています。
海流は世界中どこへでも流れ込みます。
すでに人間活動とは無縁の北極や氷や南極の海底からも明るい色のプラスチックの破片が見つかっています。
プラスチック汚染はすべての海洋の隅々に広がっており、深海底や海塩からもでてきます。
世界中どこを探しても、プラスチックが見つからない海はもう存在していないのです。
これら一連の報告は、世界中どこであってもプラスチック汚染からは逃げられないということを物語っています。
海に流れ込むプラスチックの量は年々爆発的に増えており、時間とともに海洋生物の個体群や栄養構造、ひいては生態系全体に大きな影響を及ぶことは間違いありません。
求められるプラスチックフリーの生活
プラスチックの中で最も多く生産されるプラスチックの製品は、パッケージに使われる容器、包装、袋など。
特にペットボトルやレジ袋、食品トレーやストローなど一度利用されただけで捨てられてしまう”使い捨て用“がほとんどです。
そして、これはプラスチック生産量全体の4割を占めています。
生活に欠かせないものとなってしまったプラスチック製品。
手軽に使える分、手軽に捨てられてしまうのが現状です。
プラスチック製品がここまで普及したのは、安くて便利で手軽に利用できるから。
しかし、地球環境への影響を抑えるコストはその中には含まれていません。
プラスチック問題を解決するには”大量生産、大量消費、大量廃棄”という社会システムの構造転換が求められています。
プラスチックを減らすことは自然環境のためだけではありません。
汚染された魚介類はめぐりめぐって私たちの食卓に並び、やがては私たちの身体にも影響を与えます。
大切なのは、私たち消費者のマインドシフト。
買い物で、飲食店で、あらゆるところで利用されるプラスチック製品。
ストロー、コーヒーカップ、レジ袋、プラスチック容器。
それらは本当に必要でしょうか?
そのプラスチックは、使い捨てになるだけではなく、やがては海洋汚染にもつながるのです。
生活から使い捨てのアイテムを取り除き、再利用可能な代替品を探しましょう。
”Plastic Free July”の原点は、個人、地域社会、そして企業が使い捨てプラスチックを自分の生活の中で使わないという選択をできるようにすることです。
これは、使い捨てのプラスチック廃棄物を最小限に抑えるための第一歩。
豊かな海を次の世代に残していくためにも、地球への脅威となりつつあるプラスチックごみ問題を解決しなければなりません。
”Plastic Free July”は、何百万人もの人々が日常的にこのような行動をとり、あたり前とする習慣をつけることを奨励し支援しています。
他の誰かが解決してくれるのを待つのではなく、プラスチック製品を日々利用する私たち一人一人が、できることからすぐにでも実践しましょう。
私たちが出来ること
このような大きな問題の解決に向けて、特別大変なことをする必要はありません。
私たち1人1人がほんの少しだけより良い選択や行動をするだけで、やがては大きな力となります。
まず、心がけたいのは3つの『R』
3つのR
Reduce (リデュース) :ごみにプラスチックを出来るだけ使わない。
Reuse (リユーズ) :物を大切にして、捨てずに、くり返し使う。
Recycle(リサイクル) :再資源として再生利用。
以上の3つのRは、ごみの焼却や埋立処分による環境への悪い影響を減らし、限りある地球の資源を有効に繰り返し使う循環型社会をつくろうとするものです。
プラスチックに囲まれた生活をいかに減らすか。
最も手軽に始められることは、マイバッグやマイボトルを持ち歩いて日常生活の中からプラスチックの使用を減らすことです。
7月はプラスチックフリー月間。
みなさまも是非ご参加下さい。
※Plastic Free This Julyについての詳細はこちらをどうぞ。