Tamarillo
ニュージーランドの冬を感じる頃になると出回る不思議な実”タマリロ”
5cm~7cmほどで卵形で、果皮は艶やかな赤や黄色などの種類があります。
剪定状況や温度などの環境によって収穫期が大きくずれこむため、ニュージーランドでの主な収穫期は早ければ4月ぐらいから遅ければ10月までと旬が長く、期間限定とはいえ長く楽しむことのできる季節の味覚です。
気候的にあまり寒くなく、水はけの良い土壌が豊かな土地であれば栽培が可能なタマリロ。
条件さえ揃えばどこでも栽培可能なのですが、ニュージーランドでは主にノースランド、オークランド、コロマンデル、ベイオブプレンティなど、暖かい北島で栽培されています。
日本ではタマリロの原産地である南米での呼び名、”木立ちトマト(スペイン語:tomate de árbol)”の名称が有名ですが、英語圏では『タマリロ(tamarillo) 』や『ツリートマト(Tree tomato)』と呼ばれており、ニュージーランド以外では、主にオーストラリア、アルゼンチン、ブラジル、ベネズエラ、インドネシア、ケニア、ポルトガル、アメリカなどで栽培されています。
ちなみに、この名称の歴史は浅く、1967年にニュージーランドが商業として展開するプロモーションの一環で『タマリロ(tamarillo) 』という名称を付けたことが始まり。
その由来はマオリ語でリーダーシップを意味するtamaとスペイン語で黄色にあたるamarilloからきているのだとか。
この辺はかつて”チャイニーズグーズベリー”と呼ばれていた”キウィフルーツ”に通ずるものを感じます。
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タマリロの美味しい食べ方は?
タマリロは、縦や横に真っ二つにし、そのままスプーンで中身を食べるのが一般的。
ニュージーランドでは皮ごと食べる強者もいますが、皮はぷっつりとして固いので皮ごと食べることはおススメしません。
果肉は柿とトマトの中間のようなざっくりとした歯ごたえで、小さい種はパッションフルーツにに似た種の食感。味は少し甘さのある酸味の強い青臭いトマトといった感じ。
あまりはっきりしない味ですので色々な味の表現をする人が多いのですが、さほど甘さが強いわけでもなく、さっぱりとした味わいです。
そのため、そのまま食べる場合は昔のスイカのように砂糖や塩を少々かけて食べる人が多いようです。
FOODfilesによると、淡白な味のわりに”ビタミンA、C、E、B6”や”ミネラル”に”繊維”そして”抗酸化物質”などの美容成分が豊富という、アンチエイジングの強い味方。
しかも1個(60g)あたり約25カロリーという低カロリーなのも魅力です。
できたら毎日の食事に積極的に取り入れたい食品の1つ。
ニュージーランドでは、そのまま食べるだけでなくサラダやサンドイッチに入れたり、加熱して加工したりと幅広く調理されます。
調味料としてチャツネに加工したり、加熱して砂糖で甘くすればパイのフィリングやアイスクリームのトッピングにぴったり。
加工するときは基本的にトマトのように湯むきしてから使います。
結局のところ、野菜?果物?
結論から先に申し上げますと【果物】です。
タマリロはナス科ナス属の植物ですので、トマトやじゃがいもの親戚。
そのため野菜と思われがちなのですが、木に実るためカテゴリー的には果物ということになるのです。
樹齢1.5年~2年ほどで実をつけ、多いときにはるため最初は少し大きめな野菜の苗のように思えるのですが、樹高は5m以上にも大きくなります。
また、きちんと剪定していれば1本で20㎏以上の収穫が可能です。
収穫したタマリロの保存ですが、ナス科の野菜や果物は低温障害が起こりやすいため冷蔵庫に保存する場合は新聞紙やラップにくるんで野菜室での保存がベスト。
完熟したものはあまり日持ちしませんので、早めに召し上がるかジャムなどに加工がおススメです。
ニュージーランドから日本へも輸出していますが、一般的な果物ではありませんので見たことのない人も多いはず。
ニュージーランドにお越しの際は是非ともトライしてみて下さい。