Measure and Temperature
海外在住者が料理本で何かを作ろうとした時に最初に困惑すること。
それは、1カップの容量や重さの単位、温度の単位が日本と異なること。
そうなんです。
1カップ=200mlは、実は日本独特のもの
ニュージーランドでは1カップ=250mlなのです。
※イギリス、オーストラリア、カナダもニュージーランドと同じ250mlです。
そのため、知らずに英語のレシピを日本の感覚で計量すると、とんでもないものが出来上がります。
何故そんなことになってしまうのか?
まずは、そこから説明しましょう。
かなりややこしい世界の計量カップ
日本では1カップといえば【1カップ=200ml】ですが、同じ1カップでもお米をはかる1カップは180ml
これは今でもお米をはかる時に使われる計量単位が”合”だからです。
昔はカップの代わりに枡が使われていました。
この1枡のサイズが1合であり、容量が180mlのため。
そのため日本には2つの計量カップが存在します。
さらに日本では料理本に記載されている単位は”ml“ではなく”㏄”
これは主にアメリカで使用される単位のため、戦後、アメリカからの文化が日本に浸透したものと思われます。
しかし国際水準で認められた計量方法ではないため、公式な書類などには利用することができません。
現在の計量方法の標準単位はべて”ml”で統一されていますので、今後㏄は徐々に使われなくなってゆくかもしれません。
とはいえ【1㏄=1ml】ですので、そのままの数字で単位が変わるだけと覚えておけば問題ありません。
更にややこしいことを説明すると、イギリスやアメリカでは日本のように昔ながらの単位oz(オンス)を今でも使用しています。
しかも困ったことにイギリス は1oz=28.41mlでアメリカは 1oz=29.57ml
同じozでありながら容量が異なるのです。
それでも、ニュージーランド、イギリス、オーストラリア、カナダは 1カップ=250mlというMetric cup(メートル法を基準にしたカップ)を採用していますので、基本的にはmlが使用されています。
ただ、アメリカはメートル法を採用していませんので、1カップ=8 fl oz(8液量オンス)
そのため計算すると1カップ=236.5ccとなっています。
この半端な数字は、アメリカの量を測る単位pint(パイント)から来ているためです。
1pintは473cc、つまり、1カップは1/2pintなので236.5㏄というわけです。
そのためアメリカの1カップは237㏄もしくはざっくり240ccとなっています。
もう、こうなってくると頭を抱えたくなるレベル。
ですが、英語のレシピは分量はg(グラム)どころかmlでもなく、カップで記されているの場合がほとんど。
そのため細かい数字は気にせず、レシピに記された計量カップや計量スプーンの分量であれば問題ありません。
逆に言えば、計量カップと計量スプーンは各家庭の必需品なのです。
けれども大さじ小さじはどこも同じ
これだけカップが違うのだから、大さじ小さじはどうなっているんだろう?と思ってしまいますが、意外なことに大さじ小さじは日本と同じです。
大さじ(tablespoon)=15cc
小さじ(teaspoon)=5cc
通常レシピの中で、大さじ小さじは 大さじ=tbsp で 小さじ=tsp と省略されています。
アルファベットの綴りが非常に似ていることから、分量を見間違えてしまったというのは英語のレシピでよく聞く話。
簡単にはかる事ができるものの、注意が必要です。
ニュージーランドの計量スプーンは5つセット
1tbsp(15ml), 1/2tbsp(7.5ml), 1tsp(5ml), 1/2tsp(2.5ml), 1/4tsp(1.25ml)
とサイズが豊富。
1/2サイズも簡単に計量することができるようになっています。
サイズの豊富さについてはカップも同様で、メモリではからずにカップすりきりで何杯というはかり方。
しかも、なんでもカップではかるというおおざっぱなレシピも多くいため、日本人は戸惑うことも。
液体や粉をはかる分には理解もできるのですが、カットした果物やペンネやフジッリなどのパスタでさえもカップではかるというのは、なんだか不思議な感じです。
混乱する摂氏&華氏
日本人が計量の次に悩むのはオーブンの摂氏(℃)セルシウスと華氏(°F) ファーレンハイト
ニュージーランドの最近のオーブンは日本と同じ摂氏(℃)も多いのですが、家庭のオーブンによっては今も華氏(°F) です。
通常、オーブンでお菓子などを約温度は180℃ぐらいなのですが、華氏(°F) だと約350 °F。
見慣れない数字に思わず驚いてしまいます。
摂氏(℃)と華氏(℉)の計算の仕方
摂氏(°C)=(華氏 (°F) ー32)X 5/9
華氏(°F)= 摂氏 (°C) X 9/5 + 32
もう、こうなると完全に数学の世界なのですが、オーブン料理だけならこの4つを覚えておけばあまり困ることもありません。
- 480ºF=約250ºC(ピザなどを焼き時のの設定温度)
- 390℉=約200℃(ローストビーフなど、最初高温で料理する時の設定温度)
- 355 °F = 約180 °C(一般的な焼き菓子やオーブン料理の設定温度)
- 195F = 約90°C(オーブンで保温する時の温度)
結局のところ分量はどうすれば?
英語のレシピはほとんどカップやスプーンでの計量。
カップやスプーンで計量する場合は、固形だときちんとはかれないのでは?ということは気にせずに、指定された数字のカップやスプーンではかるだけ。
細かい数字は気にしなくても大丈夫です。
そういった意味では気軽に作れるというのが良いところなのです。
ただ、問題はそのレシピがどこの国のレシピか。
それさえはっきりしていれば、カップのサイズも間違えることはありません。
色々とすっきりはしませんがレシピをその通りに作るなら、それぞれの国の計量カップや計量スプーンがあればOK。
ですから複雑に考えずに、気軽に英語のレシピにもトライしてみて下さい。