コラム

バンドウイルカ絶滅の危機。原因は人々に愛され過ぎたせい?

ニュージーランドの北島 北西部にあるベイ・オブ・アイランドズでバンドウイルカと泳ぐドルフィンツアー”Swim with dolphins“が政府によって禁止になったとニュースが流れた。

ベイ・オブ・アイランドズは何度か足を運んだことがあるけれど、ドルフィンツアーは観光の目玉でもあったはず。
その中でも”Swim with dolphins“はバンドウイルカと一緒に泳げるとあって大変人気だったはずなのに、一体何があったのか?

バンドウイルカは最大12頭ぐらいの群れをなして行動

どうやら、湾内に生息するバンドウイルカが激減したことが理由のよう。
1999年には270頭いたバンドウイルカが、現在では31頭と全体のほぼ90%まで減少したのだとか。

確かにそれでは制限がかかっても仕方がないと思わず納得。

2016年マッセイ大学の研究によると、ベイ・オブ・アイランズの湾で育つイルカは成人する前にその4分の3は死亡。これは世界的にみても非常に高い死亡率。

しかも、その理由というのが人間といる時間が長すぎるために、本来の”睡眠”や”食事””子育て”に費やす時間が失われていることが原因とのこと。

バンドウイルカの母子

確かにベイ・オブ・アイランズには、全国、いや全世界からバンドウイルカと泳ぎたくて人がやってくる。
夏のベイ・オブ・アイランズは宿泊先を探すのが大変なくらいの混雑ぶり。

なんでも、調査によると湾のバンドウイルカは日中の時間の約86%を人間と一緒に過ごしてるとされている。
確かにそれでは、バンドウイルカの生態系に影響を与えても不思議ではない。

好奇心が強くて、人懐っこい性格のバンドウイルカ。
ツアーに参加したことのある人ならご存知だと思うが、本当にすぐ間近まで来てくれるし一緒に泳いだりもしてくれる。

それゆえに人々から愛され人気があるのだけれど、まさか それが災いになってしまうとは。

ただ、数が激減したことについては、バンドウイルカ自体がベイ・オブ・アイランズを去っている可能性もあるのだとか。

そのため、バンドウイルカの今ある状況を改善できれば、再びベイ・オブ・アイランズに戻ってくると推測されているけれど、やはり、人間がバンドウイルカと接触する機会を減らさなければならないことには変わりがない。

そのためイルカウォッチングツアーも午後ののみに制限され、時間も30分から20分に短縮されたそうな。

この禁止は、ベイ・オブ・アイランズのツアー業者のみ適用されるので、その他の地域は引き続き可能なようだけれども、イルカとの遭遇率はここが断トツに高いただけに非常に残念。

それにしても、イルカが減少している理由が人々に愛され過ぎたせいとは、なんとも皮肉な話である。

情報元:stuff/NewstalkZB/lonely planet

 

 

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便利帳管理人
2003年にニュージーランド(NZ)に移住。 持ち前の探求心、好奇心からNZでの楽しさを追及し続ける日々。 気が付けば早15年以上NZに滞在となるが未だ旅行者気分です。 オークランドを中心に仕事を兼ねてあちこちに出没。 InstagramではNZの写真を日々Upしてますので、お暇な方はどうぞ。